中小企業にとって、自社株を経営者がどれだけ握っているかが経営の安定に直結する。株主総会の普通決議を単独で成立させるためには過半数の持ち株割合が必要だし、定款変更などの特別決議を単独で成立させるためには3分の2が必要となる。逆に、後継者でない人間が4分の1超の自社株を持っていれば単独で特別決議を阻止でき、1割持っているだけでも解散請求権を行使することが可能ということになる。
ところが実際には、様々な理由によって自社株は経営者の手元から散逸する。
相続などでやむを得ない理由によってすでに自社株が散逸しているなら、次のような対策を講じたい。
① 分散した株式の買い取り
経営者や後継者個人による買い取りのほか、会社による自社株買い(いわゆる「金庫株」)とすることも有効だ。
② 株式譲渡制限条項の設置
定款に「株式譲渡制限」条項を設定すれば、会社にとって望ましくない者の株式の売却を制限できる。ただし、既に分散している株の買い取りまで防ぐことはできない。
③ 相続人などに対する売渡請求項の設置
定款にこの条項を定めておけば、「相続人等に対する売渡請求」を申し立てることで、会社にとって好ましくない者が株式を相続した際に、買い戻すことができる。
④ 従業員持株会の設置
会社で従業員が共同で保有する持株会を設置し、そこに経営者の議決権に影響を与えない程度の株式を持たせることで社外流出を防ぐ。
一度分散してしまった自社株を取り戻すには時間もお金もかかってしまう。日頃からの予防こそが重要だ。
自社株を守り抜く方法













