ふるさと納税で、自治体に寄付をするとその寄付金額のうち自己負担額の2,000円を除いた金額が所得税の還付や住民税の控除を受けることができます。且つ寄付をした自治体から返礼品を受け取ることができるという制度が2008年(平成20年)4月の地方税法等の改正によってスタートしました。この魅力的に思える制度ではありますが、開始当時の利用は低調なものでした。
というのも、ふるさと納税を利用して寄付金額に応じた控除を受ける為には翌年に確定申告をする必要がありました。これがふるさと納税を躊躇する原因のひとつだったと考えられます。そこで平成27年度にはワンストップ特例制度が導入されました。
確定申告が不要な給与所得者で、ふるさと納税先の自治体が5団体以内の場合に限り確定申告が不要となったのです。この制度を利用すれば、確定申告の手間がかからないということです。但し給与所得者であっても年収2,000万円を超える人や医療費控除など別の控除を受けたい場合は確定申告が必要となりますのでご注意下さい。
ではワンストップ特例と確定申告ではどこが違うのでしょうか?
ワンストップ特例では申込可能な自治体数は5自治体までと決まっています。6つ以上の自治体に寄付をする場合は確定申告が必要になります。
控除される税金は、確定申告をすると所得税と住民税の両法から控除されますが、ワンストップ特例制度では住民税からのみ控除されます。控除される金額の合計はどちらも同じです。
すなわち、ワンストップ特例制度でも確定申告でも控除される金額は変わらないので、どちらがお得ということは無く、住宅ローン減税や医療費控除との併用も可能となっています。
但し、注意が必要な点としては、住宅ローン減税有りの人がふるさと納税を確定申告した場合、所得税の計算はふるさと納税の控除が優先されるため、所得税から住宅ローン減税分が引ききれなくなることがあり、残りは住民税から控除することになるのですが、その額が住民税の住宅ローン減税上限を超えてしまう可能性があるという点です。
よって住宅ローン減税の金額が大きな人はワンストップ特例制度のほうが確実に控除を受けることができると考えられます。(住宅ローン減税の初年度は確定申告が必要です)
最後に確定申告をする必要の有無など、一年が終わる少し前には自身の寄付金上限額のチェックや、ワンストップ特例の申請期限内に申請を済ませるなどの最終確認は不可欠です。